欧文活字の銀河 The Galaxy of Letterpress
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●展:欧文活字の銀河 The Galaxy of Letterpress
●時:2024[R06]07.20 Sat〜 2024[R06]09.23 mon
●所:印刷博物館 P&Pギャラリー
人は夜空に煌めく幾多の星を眺めながら、多くのヒントを得、アイデアを閃かせてきた。それらの蓄積、人類のさまざまな『知」を伝えるのが書物。その目的に加え、宗教的な伝播にも着目して生まれたのが、印刷。
人の手技で作る工芸品的な「写本」では追いつかなくなってきて、もっと効率的な方法はないかと、ドイツのヨハネス・グーテンベルクは、さまざまな工夫をした。
そして、文字を分解してユニットとして使用する活字(※ 起源としては中国の泥活字が先)と適切なインキや紙、プレス機を活用する手段を考えた。そのアイデアを実用化したことから、彼は火薬・羅針盤と並ぶルネサンス三大発明と称される活版印刷で名を残すこととなった。
その重要なパーツ、欧文活字そのものが「星」としてこの会場に並ぶ。入り口近くの卓上印刷機(アダナ)は、ムサビの印刷実習で触れた懐かしいヤツだ。さらに活字鋳造から植字まで自動化した鋳植機(欧文モノタイプ)など貴重な実物展示もあり。
当時の活況を伝える記録写真や活字の見本帳、金属活字納品の際のパッケージなど、その時代に近づける珍しい展示品のひとつひとつから栄枯盛衰を感じる。
この金属素材の活字の次に席巻した光学的な「写真植字」(通称:しゃしょく)により、グラフィックデザインは次の階層へ移る。そのことは別の機会に。
[おまけ情報]
○ 現在「フォント=書体」のようにとらえられることが多いが、本来は活版印刷由来の言葉。物理的制約からサイズごとそれぞれに1組を用意しないといけない。同じ書体、同じサイズの活字のひとそろい、そのワンセットが「フォント」。
○ 会場の壁面にあるQRカードからアンケートするともらえる小冊子の表紙では、活字(欧文書体)が夜空に浮かんでいます。まさに、それは「銀河」を象徴するイメージ……
ちなみに、メディア論で有名なマーシャル・マクルーハンの代表的著作のひとつが『グーテンベルクの銀河系』
[2024.07.24 / 2024.08.07 update]
【参考】
◎活字 https://ja.wikipedia.org/wiki/活字
◎グーテンベルク https://ja.wikipedia.org/wiki/ヨハネス・グーテンベルク
◎写本ーいとも優雅なる中世の小宇宙[国立西洋美術館]https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2024manuscript.html
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◎グーテンベルクの銀河系 https://amzn.to/3SD3aeh
◎マーシャル・マクルーハン https://amzn.to/4ftqt3T
◎おすすめ:文字・書体・組版 https://www.tendym.com/m-デザイン周縁/recommend/02/#typography
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