何が見える?「覗き見る」まなざしの系譜
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●展:何が見える?「覗き見る」まなざしの系譜
●時:2023[R05]7.19 Wed.→10.15 Sun.
●所:東京都写真美術館
その先を見たい気持ち!
という視覚の欲望を辿る展示です。
各コーナーのタイトルは…
・覗き見る愉しみ
・観察する眼
・立体的に見る
・動き出すイメージ
・「覗き見る」まなざしの先に
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カメラの原型、カメラ・オブスクラから生まれた
箱の中を覗き見る「のぞきからくり」という仕掛けは、
ひとつのショーとしても楽しまれていたという。
物語のワンシーンを小さな箱に閉じ込め、
その劇場を巨人の眼で愛でる感じだろうか…
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16世紀から17世紀にかけて登場した顕微鏡と望遠鏡、
それらは人の視覚領域をおおいに拡張した。
見れなかったごく小さなモノ、はるか遠くのトコロが
自分の目の前の装置により出現するのだから、
なかなか驚愕のグッズだ。
有名なエドワード・マイブリッジの連続写真。
はじめてその表現に出会った時には興奮したことだろう。
撮影に没頭したというのもうなずける。
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1838年発表の立体装置=ステレオスコープもまた
多くの人を熱狂させた。世界へ没入する感覚は、
VRゴーグルに触れ始めた現代の我らにも通じる。
もっと簡易な仕組みで、赤青のセロファン眼鏡で
立体視する方法があり、印刷物に応用されてきたが
それが取り上げられてなかったのは、少し残念。
…装置というには小粒すぎるからかな。
雑誌「都市住宅」表紙での杉浦康平の試みを
伝えたい。さらに「星の本」も推したい。
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映画については、原型シネマトグラフをはじめ、
フェナキスティスコープ、ゾートロープ、プラクシノスコープ、
それにエジソンのキネトグラフ、キネトスコープなど多くの視覚装置が19世紀に生まれた。
コマ送りのそれらは映画の素であり、
文字通り「アニメーション」の誕生へとつながる。
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コーナーの最後は、現代の作家による作品で構成。
奈良原一高の白黒世界は、フォトグラムのようでありながら
レントゲン写真を引用して再構築化したような印象。
伊藤隆介のインスタレーション「オデッサの階段」は、
映画「戦艦ポチョムキン」(エイゼンシュテイン監督)の
有名な例のシーンを素材に、立体+ビデオ映像で構成。
*
今回の展示は、機器そのものの面白さはもちろんだが、
それらに接し目を輝かせていた人々が愛おしく思えた。
あくなき好奇心が、新しいモノを産み続けていくのだろう。
スマートフォンで日々膨大な写真が撮影されている今、
われらが「覗き見ている」世界へのまなざし、
さて、未来ではどのように解釈されるのだろうか…
【参考】
◎東京都写真美術館 https://amzn.to/3Qad9Xq
◎トーマス・エジソン https://amzn.to/45ljXGk
◎戦艦ポチョムキン https://amzn.to/3QadDNe
◎星の本 https://amzn.to/3LW7Nga
[2023.10.07 / 2023.10.13 update]
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