揺らぎ 蠢くモノの 残像


展:片山裕個展「まばたきとめまい
時:2022[R04]10/15 Sat. 〜 10/20 Thu.
所:Gallery5610  https://www.deska.jp
 東京都港区南青山5-6-10 5610番館

 

個展初日、土曜の午後。明治神宮前(原宿)から歩くことにした。表参道への歩道は人であふれかえっていた。「全国旅行支援」キャンペーンや「外国人観光客の入国制限」見直しの影響もあるかもしれない。 

 

喧騒の中をゆっくり進むと記憶と異なる店が多くて、かなり久々に訪れているのだなぁと実感。キディランドは健在で少しホッ。アップルストアに寄った。新しい Apple Watch Ultra に触れたかったから。 

 

そして、改築前の南青山第一マンションズを越えたところ「5610番館」にギャラーはあった。スパイラルの裏手にあたる。金木犀が香る中庭もあり落ち着いた雰囲気の一角だ。 

 

『動画作品と、そこから抜き出された平面の数々』がゆったりと展示。結果的に5年を費やして作られたという作品群は、平面であっても蠢いているように感じた。明滅する瞬間がギリギリのバランスで定着しているからだろうか。 

 

人体を巡る神経や血流的なゆらぎイメージは「情」か。その柔らかな線に対して絡んでくるのは、歯車や文字などの硬質な要素。タイプフェイスが「ギュイーン」と変形した造形は「理」の象徴なのか… それらが絡み合うミックス加減が不思議な印象。 

 

そうそう、コミックの吹き出しのようなカタチもあるため、「 しょわーん」「シャキーン」「ひゅるるる〜」のような擬音が聞こえてきそうだ。それは動画作品のサウンドとは全く異なる小さな機械音。なんだ!「めまい」ではなく耳なり? 

 

見どころのひとつとして、自ら生み出した造形をアニメイトする作業の「痕跡」も展示されていました。本人しかわからないだろう膨大な軌跡は、作品の前提でありながら、残像と言えるのかも…  そんなことをつらつら思いつつ、テラスでのオープニングへ。

[2022.R04.10.19] 

  

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