2022 NEW YEAR !「THE DAWN OF ...」
*サブタイトル=新しいあかりを探しに…
今回の Greeting Card タイトルは「THE DAWN OF ...」としました。
COVID-19と名付けられた新型コロナウイルスにより、2020年(令和二年)に世界はパンデミックの渦に巻き込まれました。2021年も引き続き「緊急事態」下での新たな日常を過ごすことに。昨年秋頃から日本では波が収まったかのような雰囲気もありましたが、次々と出てくる変異種の新型「オミクロン株」が不気味な勢いで拡まってきています。
このような時節ゆえ、コロナ夜からの新しい朝、次の時代の幕開けを迎えたい気持ちを「よあけ」として表しました。
タイトルのヒントは、映画「2001年宇宙の旅」冒頭のテロップ「THE DAWN OF MAN」(人類の夜明け)というシーン。地球という星に生きる多くの生命体のうち、ひとつの種にすぎない人類の登場を淡々と、しかし衝撃的な場面転換にて一気に未来までのつながりを示しました。映画館で初めて観た際、そのジャンプ感に高揚したものです。
その人類の「発展」は進みました。ただその結果、現在の「グローバル経済」がもたらす影響によって感染症が引き起こされているとも言われています。となると、これからの時代には大きな転換が必要な気がします。斎藤幸平「人新世の「資本論」」に記されている〈脱成長〉〈コモン〉という考え方もヒントになりそうです。量から質への転換…
世界の中でも長期低迷する日本の根は深く、そのあたりは白井 聡「主権者のいない国」が興味深いかと。実は問題はわれらにもあり!?
さて、何が明ける一年となるだろうか…
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【ひもとくと(解題)】
大晦日から元旦へ。気持ちは切り替わりますが、刻々の時は連続しています。コロナの多大なる影響が年度を越えても続いていることからも、要素の継続性を意識しました。前年2021のイメージとも関連させ、時のつながりを潜ませています。
加えて、西暦二千二十二年から、漢字の「ニ」の形状に合わせて、昨年撮影した写真を配置しました。町歩きで出会った植物を基軸に空や作品なども。
「二」の中央、メインタイトルの欧文書体は「Trajan」(トレイジャン)。「トラヤヌス帝」記念碑に彫られた文字が元。ローマン体(大文字)の原点とも言われる美しい書体です。使用したのはAdobe版「Trajan Color」。
下部の左右には、干支の「寅」から新宿山の手七福神、毘沙門天 善國寺の狛犬ならぬ虎の石像を鎮座させました[色調は変換]。神楽坂は、2021年11月にパートナー(米倉葉子[以下YY])の個展「わたしの緑地」を開催した「かぐらざか五感肆パレアナ」の地元。
下側の背景は東京お台場の正月朝日。手書き風のドローイングは、色鉛筆のグラデーション描画[YY]。その上部にはモアレがかったハーフトーンパターンフィルター処理による網点。陽光にぼんやり浮かぶのは、基盤を埋め込んだフェルト工作による人工自然の画像[YY]。
下部中央の白っぽく溶け込んでいるのは「軽石」その台座はフェルト工作による雲を模したオリジナル作品[YY]。(*一部は宛名面の切手スペースに使用)
左上あたりから右下を伺う変形宇宙船のような造形は、フェルト工作による四つの景色[YY]を単色化して背景に馴染むようにしました。
最後に。
2022 皆さま、かけがえのない日々をたいせつに。
[2022.R04.01.07]
↓【完成したビジュアル・元画像(レイヤー構成)・関連資料・参考記事】が ↓ この下に続きます。ごちらもごらんください。
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【完成したビジュアル】
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【元画像[レイヤー構成]】
11:レベル補正
10:自然な彩度
9:フェルト工作「四つの景色」
◎レイヤー:輝度/不透明度:100%
8:虎の石像(毘沙門天 善國寺)
◎レイヤー:通過/不透明度:100%
+調整レイヤー:色相・彩度
7:フェルト工作「基盤埋め込み」
◎レイヤー:比較明/不透明度:33%
(グラデーションぼかし)
6:フェルト工作「雲」+軽石
◎レイヤー:スクリーン/不透明度:55%
5:色鉛筆ドローイング
◎レイヤー:通常/不透明度:37%
+調整レイヤー:色相・彩度
4:東京お台場の朝焼け
◎レイヤー:通常/不透明度:72%
(グラデーションぼかし)
3:色鉛筆ドローイング-2
◎レイヤー:焼き込みカラー/不透明度:39%
(カラーハーフトーン)
(グラデーションぼかし)
(上下反転)
2:星雲-南天の天の川
◎レイヤー:焼き込み(リニア)/不透明度:88%
(グラデーションぼかし)
1:色鉛筆ドローイング-1
◎レイヤー:通常/不透明度:29%
+調整レイヤー:色相・彩度
(カラーハーフトーン)
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【関連資料】
◆映画
◎2001年宇宙の旅 https://amzn.to/3t7wKg9
◎スタンリー・キューブリック監督 https://amzn.to/3HBKV0S
◆絵本
◆和書
◆洋書
◎The Dawn of Everything: A New History of Humanity
◆欧文書体
https://tendym.jimdofree.com/m-デザイン周縁/recomend/02/#typography
◎ディテール・イン・タイポグラフィ:読みやすい欧文組版のための基礎知識と考え方
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【参考記事】
*「すべての夜明け」について《引用》
2022/01/04 毎日新聞 東京夕刊
https://mainichi.jp/articles/20220104/dde/012/040/030000c
コロナ禍の2年、アジア人差別など悪いこともあったが良いこともあった。水平に移動できないせいか、私たちは知らず知らずに垂直に、過去を掘り下げ始めた。米国で黒人男性が警察官に殺されたとき、それまでならデモ、暴動で終わったところが、人々は奴隷制、植民地時代の搾取まで500年もの過去へとさかのぼった。そして今、私たちはそもそもの人類史を疑い始めている。「欧州中心」という偏りに気づきだしたのだ。
昨年11月、「ザ・ドーン・オブ・エブリシング」という本が米国で出版された。「すべての夜明け」という意味だが、語呂の良さから、ここでは「すべての始まり」と訳す。「新人類史」と副題にあり、著者は「ブルシット・ジョブ」などで知られ、2020年9月に病死した米国の人類学者、グレーバー氏と英国の考古学者、ウェングロウ氏だ…
〈引用ココまで・続きは有料会員向け〉
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【おまけ♪】
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